日本フォーレ協会について

日本では、多くの先達たちの貢献により、フランス音楽の演奏、作曲技法、音楽学的探究などを志す専門家は後を絶ちませんでした。また文学、絵画・造形芸術の世界でも、長年にわたってフランス文化の精華が受け入れられてきていることは、言うまでもありません。

このような伝統にもかかわらず、ガブリエル・フォーレ(1845〜1924)の音楽は、十分に普及しているとは言いがたい状況でした。ドビュッシーより17歳年上であり、また、ラヴェルの師ですが、彼らのようなポピュラリティーをかちえてはいません。

フォーレの作品には独特の作風、比類のない美しさがあるのですが、その奥深さ、捉えがたさが、一方では、理解しがたいものと考えられてしまうのかもしれません。

こうした状況のなか、池内友次郎、安川加壽子をはじめ、フランス音楽、特にフォーレの音楽に強い関心を持つ数名の音楽家有志により、1989年に、日本フォーレ協会が結成されました。

以来、フォーレの業績をたたえ、フランス音楽、フランス文化の研究と普及を目的として、活動を続けています。

活動内容の3本の柱は、(1)フォーレ作品を中心とした演奏会を年1回開催し、(2)内外から講師を招いて年3〜4回の研究会(講演会、公開レッスンなど)を行い、(3)会誌フォーレ手帖を年1回刊行する、というものです。創立10周年を迎えた1999年11月末現在で、会員数は185名、名誉会員数は13名に達しています。